ある日曜日。昼間っから独りで酒を飲んでいた。秋風が吹いていた。
突然、急にむなしさに襲われた。
「若い時は絵を描くことにすべての情熱を注いでいたのになぁ。」
ビールを片手に、もう一方の手でピーナッツを口に運びながら
昔の思い出にふけっていた。
と、無性に「人物クロッキー」が描きたくなってきた。
矢も盾もたまらず、ネットを検索したら「アトリエ・エビス」で
「人物クロッキー」が描けることを知った。
「おっと!」
次の週の土曜日。ぼくは「アトリエ・エビス」の
クロッキー会場にいた。
何10年ぶりに見る、実際に自分の目の前で繰り広げられる
モデルさんの美しい裸体ポーズ。
震える思いで真新しいステッドラー鉛筆を握りしめていた。
時間が経つのも忘れて、無我夢中でクロッキー帳に
思いのたけを描いた。
クロッキー帳に描かれた「その絵」はモデルさんとは似ても
似つかないものだった。
「下手くそだっ!!」思わず笑いが出た。でも満足だった。
どこかに置き忘れてきた「自分の大切なもの」それを偶然にも
机の引き出しの奥でひょこっと見つけたような気分だった。
その日を境にぼくは「人物クロッキー」にのめり込んで行った。
クロッキーがもっと、もっと上手くなりたい!と心から思った。
そんな思いから「アトリエ・エビス」の「人物クラス」も受講することにした。
日曜日の三浦先生、火曜日の木下先生。
個性溢れるお二人の先生からは感謝してもし尽くせないほど、
たくさんの事を教えていただいた。
ますます「絵を描くこと」が好きになってきた。
今、自分は「人物画」を中心に制作を進めている。
ただ「上手い絵」「きれいな絵」など描きたくない。
(描けないけどね。笑)
人の「喜び」「悲しみ」「苦しみ」「孤独」「裏切り」「憎しみ」「慈愛」。
いつか「人間の性(さが)」みたいなものが絵の中で表現できればと思っている。
「人」を描くことで、もう一度「人生」を振り返ることができればと思っている。
自分に「絵」という表現手段を思い出させてくれた。
再び「絵を描く」喜び、そして可能性を与えてくれた
「アトリエ・エビス」に心から感謝します。
もちろん、明るいアトリエのスタッフの皆さんにも感謝していますよ!(笑)
いつもありがとうございます!!
《プロフィール》
・ 出身地
神奈川県の逗子市
海があるだけで何もありません。
威張れません。(笑)
・ 趣味
音楽鑑賞
70年代、80年代の映画鑑賞
「星の王子さま」(仏原文)の翻訳